2018年4月21日土曜日

日本史に記されるべき赤松小三郎という志士 - IWJによる関良樹氏インタビュー

ことし2018年に"明治維新"から150周年を迎えるということで、大日本帝国を礼賛する安倍政権がいろいろ仕込んでくるであろうと予想される一方で、明治維新という欺瞞を暴く書籍なども徐々に読まれるようになり、原田伊織氏の著書「明治維新という過ち : ~日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」が長期でベストセラー入りしたりしています。

徳川の封建主義的圧政に苦しんだ庶民に代わって、旧体制を討滅したのが薩長の志士たちだった…などという美談がウソだと徐々に周知され、それは既に優秀な徳川官僚により開国に向かっていた平和な日本の国での、20代のテロリストらによるクーデターであったことがわかってきました。近い将来、"明治維新"ということばは教科書からは消え、明治の政変とでも呼ばれるようになるのではないかと思います。

さて、幕末から明治にかけての真実を掘り起こしてきた研究者のひとりが、拓殖大学の准教授、関良基氏。2016年12月に「赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢」という本を出されました。ただしご専門は農学・森林科学の理数系です。(なんと2014年に他界された経済学者の宇沢弘文教授とも共著があります。)

赤松小三郎は信州上田藩の藩士ですが、その思想が驚くほど近代的だっただけでなく、日本各地に赴き、幕末・明治の所謂大物たちとも直接関わっており、歴史の教科書に一切その名も業績も載っていないということが非常に不自然な人なのです。

Amazonの本の説明から一部コピーします:
■赤松小三郎(あかまつ・こさぶろう)幕末の兵学者・政治思想家。天保2年(1831)~慶応3年(1867)。上田藩士。勝海舟の従者として長崎海軍伝習所に学ぶ。薩摩藩に請われ英国式兵学を教え、東郷平八郎、野津道貫ら、日本陸海軍の指導者たちを多数育成。また、普通選挙による議会政治、人民平等、個性の尊重など、現行憲法に通じる憲法構想を、徳川・薩摩・越前に建白した。徳川政権と薩長の内戦を回避し、平和的な新政権樹立を目指したが、大政奉還を目前に京都で暗殺された。享年37歳。

長崎海軍伝習所では数学と語学ができない勝海舟の補佐をし、薩摩藩には最新の英国式兵学を伝授。大久保利通と西郷隆盛(が送った刺客)に京都で暗殺されており、赤松が残した建白書などの重要資料はすべて大久保と西郷が焼却してしまったとのこと。

そこが完全には証明できないとしても、陸軍元帥の野津道貫や、海軍元帥の東郷平八郎が、赤松の門下生として兵学を学んでおり、暗殺された赤松の遺族に弔問金を持っていったときに『我々がロシアを撃破できたのも、 思えば、赤松先生の薫陶の賜物と言うべきである』とまで言っているんです。それほどの人が一切、幕末・明治史には出てこない。明らかに一切の記録を消したかった人たちがいたということですね。

兵学のスペシャリストであった赤松小三郎ですが、国防に関しては徹底した専守防衛思想でした。というより、この国はずっと専守防衛が当たり前で、秀吉の朝鮮出兵のほうがイレギュラーだったわけです。資源を求めて他国に攻め入った歴史を反省したからこそ徳川時代は国内ですべて自給自足できるように産業を発達させました。

いまの日本国憲法よりある意味進んでいた素晴らしい立憲思想の憲法草案がどんな過程で生まれたのか。どんな形で私たちの祖先たちはその好機を逃してしまったのか。当時の多くの人々が本当に望んでいた次の時代はどういったものだったのか。そういうことを私たちは知る必要があります。武器商人にそそのかされた長州テロリストたちがいなければ、実は御三家を含む武家の感覚すら、すでに議会制民主主義へ進み始めていたのです。

歴史学者は学会の長老たちが嫌がることは書けないらしいので、上田出身の関氏が書くことにしました。(歴史学者で赤松小三郎を初めて発掘したのは佛教大学の青山正忠教授。)

ということで、関氏の著作を約2000円で購入(または図書館に購入依頼)することがまずオススメなのですが、IWJで著者の生の声を聞くことは更にお得ではないかと思います。特に歴史好きでなくても、目の前で起こっている恐ろしい政治劇場が、トークの中で解説されていくわけなので、できるだけ多くの人に視聴してほしい。IWJと交渉できるだけの大金をお持ちの方は、高額寄付でこの動画を無料にしてもらってください(^^)。


では、IWJのダイジェスト視聴・購読と、有料版全編動画・フルテキスト購読にご興味ある方への説明に入ります。

2017年6月6日7月11日2回にわたって、IWJ岩上安身氏による拓殖大の関良基准教授のインタビューが行われました。普通なら、そこへのリンクを貼るだけでことは足りるのですが、合計10時間以上に及ぶ長時間のトークと、その密度の高い内容をIWJスタッフが年末までかけて5回に分けて書き起こしたテキスト(スライドや挿絵にキャプチャ画像おおよび詳細注釈つき)へのアクセスがちょっとややこしいので、ここで整理してみたいと思います。残念ながら格安ではあるのですが有料情報です。

ダイジェスト動画とダイジェストテキストの公開記事ページへのリンクだけを貼るとこうなります。
  1. 「長州レジーム」から日本を取り戻す! 歴史から消された思想家・赤松小三郎の「近代立憲主義構想」を葬った明治維新の闇~岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー(その1) 2017.6.6 ↓この動画と全編動画購入ボタンのページ。
  2. 日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2) 2017.7.11 ↓この動画と全編動画購入ボタンのページ。

    ここから下はすべて書き起こしのダイジェストテキストのページで、それぞれに「記事目次」(書き起こした際の小見出し)と最初のトピックの一部、そして、フルテキスト単品購入ボタンが付いています。
  3. 【第322-332号】岩上安身のIWJ特報!「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー(その1) 2017.8.10 
  4. 第333-340号】岩上安身のIWJ特報!「長州レジーム」から日本を取り戻せ!歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー(その2) 2017.10.2
  5. 【第341-345号】岩上安身のIWJ特報! 「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー (その3) 2017.11.2
  6. 【第346-349号】岩上安身のIWJ特報! 「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー (その4) 2017.12.3
  7. 【第350-355号】岩上安身のIWJ特報! 「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー (その5) 2017.12.30

IWJのインタビューで1回4時間ぐらいというのは珍しくなく、スタッフが15分ぐらいのダイジェスト版にまとめると、たいていは一番肝心なことがそこに入ってくるので、動画リンクだけで重要箇所の紹介ができるのですが、今回はインタビュー開始からの15分を単純に切り取ってあり、(しかも現在進行系で長州閥の横暴を実演している安倍政権のせいで岩上さんのトークが時間をとってしまっており、)関氏の重要発言がほとんど入っていません。あまりに内容が濃いので、15分にまとめることは断念されたのかもしれません。

アーカイブを購入すると、たいてい全編動画へのリンクが送られてきて、もし書き起こしテキストがあれば一緒に表示されるのですが、今回は動画2つテキスト購読5つに分かれます。非会員は1つ500円一般会員は1つ50円。誘導されるとおりにClickしてカートに入れてPayPalで購入すると、メール2週間有効の視聴・購読用リンクが送られてきます。月会費3000円のサポート会員はすべて無料です。

ちなみに、例えば1つめの公開動画を見ていると、こんなふうに、2つめの動画と5つのテキスト記事へのリンクが下の方の「関連記事」の欄に表示されます。

【第322-332】などと最初に書かれているのは、メルマガ配信のときに使ったテキスト記事です。ここでは一番下が、いま開いていないほうの動画へのリンクです。

ややこしいのは、既に購入したページで動画やテキストを見ていて、下に出ている次のをClickして購入しようとすると、そこはサポート会員専用ページになっており、どこにも進めないんです。一般会員はあくまでタイムリミットがついたリンクをメールで受け取るようになっています。混乱した人はこのブログ記事に戻ってきて、上のリンクを使ってください。

1つが4時間とか6時間もあるとなると、最初から気が萎える人もいるかもしれませんが、単純作業をしているときにモニタの隅で流しっぱなしにするとか、キッチンなどで料理中にスマートフォンで視聴すれば、1~2時間ぐらいは簡単に過ぎたりします。

既に日本史に出てくる固有名詞に詳しい人や、逆に大雑把な流れさえわかればいいという人は、テキスト記事は不要かもしれません。でも、ひょっとしたら今の子どもたちが親になる頃の義務教育では、私たちが教わってない、このスライドに写真が出てくる人たちのことが教えられているかもしれませんので、画像と名前を一緒にインプットしておきたくなるかもですよ~。

私利私欲のために国を滅茶苦茶にしたテロリストらはテロリスト然とした風貌で。本当にこの国のために尽くしていた人たちはそれなりの爽やかな風貌で。暗殺を煽りまくり、子どものような行動を取り続けて29歳で死んだ吉田松陰が、一般に出回っている肖像画ような熟年の人格者というのはあり得ないわけで…。まぁ純粋は純粋だったそうですが。


なお、明治の政変の真実については、てっぺんで言及した原田伊織氏の著書の他に、苫米地英人博士の「明治維新という名の洗脳」もぜひ読んでみてください。

薩長、とくに長州のテロリストらが育ってしまった背景には何があったのか、それがどう現在のブラックボックスだらけの政治に繋がっているのか、お金に関するデータから分析してあります。特に、英国政府と英国内の軍事利権は別物であることを理解している苫米地氏ならではの分析は、政治史を読み解くときには必読だと思います。





※この記事は、アメブロの「明治の人々が大嫌いだった明治政府。以来、150年も日本を占拠してきた長州レジーム」の補足として書きましたが、赤松小三郎についてはまだまだ肝心なことが書けていません。詳細はいずれ追記できればと思っています。