2018年7月5日木曜日

「うつ症状を訴える人は、ほぼ100%、体内で代謝のトラブルや栄養素の不足が起こっています」

高城剛氏の有料メルマガ、高城未来研究所「Future Report」Vol.366 &Vol.367(2018年6月22日&29日配信)の中の"「病」との対話"に分子整合栄養医学の溝口徹先生がご登場。鬱や統合失調症と名付けられた症状で苦しむ方に貴重な情報が入っているので、まだ今後も数回続きそうですが、コピペでご紹介します。(画像やリンクの挿入や文字修飾はこちらで勝手にやりました。)

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■「病」との対話
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現代社会において、「病」や「未病」は医者ではなく、自らと対話する必要があります。

しかし、向き合う方法は、そう簡単に理解できるものではありません。

先端医師や代替医療者の他では聞けない話を通じ、いかにして「病」や「自己の問題」と向き合えばいいのかを探ります。
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現在このトピックは高城剛氏ではなくスタッフがインタビューを担当しています。

新宿溝口クリニック 溝口徹院長
【プロフィール】
神奈川県出身。
1990年福島県立医科大学卒業。
横浜市立大学医学部付属病院などを経て、神奈川県藤沢市に溝口クリニック(現辻堂クリニック)を開設。

ペインクリニックを中心に内科系疾患の診療にも従事していたが、2000年から分子栄養学的アプローチを応用し始め、治療が困難な疾患に対する栄養療法を実践し、多くの改善症例を持つ。

2003年、日本初の栄養療法専門クリニック『新宿溝口クリニック』を開設。

2016年、オーソモレキュラーの国際学会であるISOM(International Society for Orthomolecular Medicine)のHall of fame(殿堂入り)となる。

著書に『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』(光文社新書)などがある。

第1回 (2018/6/22号から)

日本において、栄養学が誕生したのは1910年代である。

食品にどれだけの栄養素が含まれているのか、何をいつどのように食べたらいいのかという研究が、この頃から始まった。
研究が進むにつれ、専門学校が創設されて、栄養士法が定められ、管理栄養士が誕生した。
第二次世界大戦後には、日本人の食生活が欧米化。
1950年から75年にかけて劇的に食事内容は変化し、牛乳の摂取量は15倍、肉類や卵は7.5倍、脂肪は6倍にもなったという。

そんな中、1980年ごろには生活習慣病や肥満が社会的な問題になり、食品と健康の関係が注目を集め、健康維持という観点から食が考えられるようになった。

だが、日本における栄養学は、未だに「何をいつどのように食べるか」という概念を超えていない。
100年以上も前に作られた栄養学のルールが、今もなお、私たちの食生活を監視しているのだ。
食卓に並ぶものがどれだけ欧米化し、ジャンク化し、多彩になったとしても、である。
同時に指摘されるのは、管理栄養士の知識不足だ。

糖尿病患者への食事指導においても、旧態依然のカロリー制限食しか指導できなかったり、「脳はブドウ糖しかエネルギー源として使えない」など、公然と語っていたり・・・。
そんな状態だから医療の現場において、管理栄養士はコメディカルの一員として確固たる地位に立てないのだ。

栄養学について無知な管理栄養士が多い。
この皮肉な状況が起こっている一方で、近年、ようやく新たな栄養学が広まりつつある。
分子栄養学である。

分子栄養学、あるいは分子整合栄養医学と呼ばれ、欧米ではすでにオーソモレキュラー療法として広く認知されている。

詳しくは、日本におけるオーソモレキュラー療法の先駆者の一人である、新宿溝口クリニック院長の溝口徹先生に語っていただくが、果たして、栄養学が医療を変える時代は日本でも訪れるのだろうか。

▼うつ病からがん治療まで。オーソモレキュラー療法とは

Future Report研究員:オーソモレキュラー療法とはどんなものか、簡単にご説明をお願いします。

溝口:「オーソ」とは「整える」、「モレキュラー」とは「分子」という意味。
一般に、日本語では「分子整合栄養医学」と訳されることの多い療法です。
海外では「オーソモレキュラー療法(orthomolecular medicine)」と呼ばれ、1960年代から広く実践されてきました。

Future Report研究員:栄養学を根拠としていますが、これは医療行為の一種なのですか。

溝口:そうです。
海外ではうつ病やパニック障害、発達障害などメンタル面の疾患から、がん治療や不妊治療まで幅広く対象としています。

オーソモレキュラー療法では、体内の栄養バランスの乱れが疾病や症状の原因だと考えます。

人体は、約60兆個の細胞からできていて、一つひとつの細胞は、私たちが食べたものを材料にして作られています。

つまり、体内において正しい栄養素がスムーズに入れ替わることによって、細胞が健康に保たれ、疾病や異常の発生を防いでいるのです。

Future Report研究員:裏返せば、食事から取り入れる栄養素に偏りがあったり、体に不適切な栄養素を取り続けたりすることで、疾病や異常が起こるということですね。

溝口:私たちが実践するのは、人体の細胞を構成する分子のバランスの乱れを、栄養素、つまり、サプリメントを用いて整えていくという療法。

ここでいう分子とは、人体を分子レベルで考えるということを意味しており、分子レベルで正しい栄養を補っていくという意味です。

Future Report研究員:個々の細胞に焦点を当てるという意味で、一般的にイメージする栄養学と大きく異なるのですね。

溝口:従来の栄養学は、簡単にいえば、栄養素が欠乏しないようにするためのもの。

人間が健康を維持するのに最低限、必要な栄養素の量を計算し、不足を無くそうとするものです。
しかし、実際には人によって同じ活動量でも生活環境やストレス、体格、遺伝、既往歴などによって必要な栄養素の量は異なります。

栄養学で計算した栄養素をきちんと補っていたとしても、欠乏症になることは防げたとしても、健康を維持するためには、まったく足りていないということも少なくありません。

Future Report研究員:欠乏症にならないギリギリの量で栄養素を摂取していたら、少しずつ体は弱り、体に異常が見られることもある、ということでしょうか。

溝口:そこでオーソモレキュラー療法では、生体の構成分子を本来あるべき正常な状態に整え、不足している栄養素を最適量、補給することで、人体が本来持っている生体恒常性や自然治癒力を高め、病気の進行を防いだり、症状を改善したりすることを目的とします。

そのため、栄養摂取基準で推奨される量の数倍、ときには数十倍も多くビタミンやミネラルなどの栄養素を摂取することもあります。

栄養素不足を補うための量ではなくて、個人の最適量を補給することで細胞を最適に機能させることができるからです。

Future Report研究員:日本では最近、分子整合栄養医学やオーソモレキュラーという言葉を耳にする機会が増えましたが、欧米では1960年代から広まっていたんですか。

溝口:1960年代には、すでにカナダでオーソモレキュラーを研究する学会が作られ、北米を中心に実践されていました。

しかし日本では、オーソモレキュラー療法は日々の食事を変え、サプリメントを活用して栄養素を補うことが治療の中心なので、医療行為としてなかなか認知されなかったんです。

また、「サプリは日常の食事で足りない栄養素を補うもの」という考えから脱却できない医療関係者も多く、長くオーソモレキュラーは医療行為であると理解されてきませんでした。

しかし私たちは、「ある栄養素が体内で一定濃度以上になったとき、初めて薬理効果を示す」という考えに立ち、オーソモレキュラー療法とは体内の分子濃度を調整することで疾病を治療する医療行為であると考えています。

こうした考えが日本で認知されるようになったのは、ここ数年のこと。今年のゴールデンウィークに日本で初めてオーソモレキュラーの国際大会が開催されたこともあり、ますます注目を集めるようになりました。

▼欧米から50年遅れで、日本で芽をだす

Future Report研究員:欧米から50年も遅れて、ようやく日本でもオーソモレキュラーという医療行為が認知され始めたということですね。

そもそも、先生のご専門はなんだったのでしょうか。

溝口:私は麻酔科の医師だったんです。
福島県立医科大学に入学して、いろいろな科で臨床研修をしたのですが、そのうち医者が嫌いになってしまったんですよ。
偉そうだし、やっていることはガイドラインに沿っているだけだし・・・。

それで、「もっとも医師らしくない医師になろう」と思い、麻酔科を選びました。

しかし大学を卒業し、麻酔科の研修医として勤務しているとき、普段は偉そうにしている外科医たちが、実は手術が下手で、技量が低いということに気づいてしまったんですよ(笑)

それで研修半ばで辞めてしまって、生まれ故郷である神奈川の辻堂でペインクリニックを開業しました。

それが30歳の時です。

Future Report研究員:そんなに若くして独立して開業する医師なんて、珍しいですよね。

溝口:そうですね、地域の医師会でも一番の若輩者でした。
ただクリニックは、ものすごく流行ったんですよ。神経ブロック注射も行っていましたから、毎日、たくさんの患者さんが来院されました。

しかしそんな中、妻が二人目の子どもを出産したあと、激しく体調を崩したんです。

病院に行っても症状はよくならず、あれこれ手を尽くして原因を追求するうち、オーソモレキュラーという考え方に出合いました。

Future Report研究員:まだ、日本にオーソモレキュラーという考えがなかった頃ですよね。

どうやってオーソモレキュラーの治療法を学んだのですか。

溝口:私が学び始めたのは、1997年頃です。

私自身、「サプリメントは食事による栄養素の不足を補うもの」くらいの認識しかありませんでしたから、食事内容を変え、サプリを使うだけで、通常の治療法ではまったく良くならなかった妻が劇的に回復したことが、自分でも信じられなかったんです。

それでオーソモレキュラー療法に興味がわきました。

日本における分子栄養学の魁といわれる、分子栄養学研究所所長の金子雅俊先生に師事したり、オーソモレキュラー療法を確立した一人であるエイブラハム・ホッファー博士に会いにカナダへ行ったりして、学びを深めました。

そのうち、ペインクリニックでも患者さんを対象に、オーソモレキュラー療法を実践し始めたんです。

Future Report研究員:オーソモレキュラー療法は、まず患者さんに対してどのようにアプローチするのですか。

溝口:始めに血液検査を行います。

検査項目は人によって異なりますが、項目数は一般的な健康診断の6~7倍、人によっては10倍以上と多岐に渡ります。

たとえば、タンパク質の状態を調べたり、脂質がうまく利用されているのか確認したり、ビタミンやミネラルに不足はないかチェックしたり、体内の栄養状態をきめ細かく把握します。
そのほか問診で生活習慣や自覚症状などもうかがい、統合的に診断を行います。

Future Report研究員:ペインクリニックでは、どのような患者さんを対象にオーソモレキュラー療法の実践を始めたのですか。

溝口:まずは、どんな治療をしても痛みが取れないという患者さんから任意で血液検査を始めました。

慢性疼痛など、痛みが長引くのは分子レベルでの栄養状態が関係しているんじゃないかと考えたからです。

そのうち、捻挫や怪我など明らかな外傷の患者さんは除いて、すべての方に血液検査を行うようになりました。

みんなから血を抜くので、「吸血鬼の先生」とあだ名をつけられたほどです(笑)

地元では、「溝口先生のところへ行くと血を取られるから気をつけなさいよ」と噂まで立っていました。

Future Report研究員:しかし、確実に治療効果が見られたのですね。

溝口:痛みだけでなく、目眩や頭痛などさまざまな症状に代謝や栄養の問題が関係していることがわかりました。

全員とまではいきませんでしたが、かなり高い確率で症状が軽減されたのです。

オーソモレキュラーに関する論文や学会での発表を見れば当たり前のことですが、当時の日本ではまだオーソモレキュラーの考え方自体が認知されていませんでしたから、注射や薬を使わず、食事内容を変えたり、サプリを摂取したりするだけで痛みや症状が改善するということは、とても画期的なことだったのです。

それで自信を持って、患者さんへオーソモレキュラー療法を実践するようになりました。

それ以後、ブロック注射が必要な患者さんが来院されると、他のクリニックを紹介しています。

今も辻堂のクリニックはありますが、ブロック注射なんて怖いことはやっていません(笑)

Future Report研究員:そうすると、一体何科のクリニックになるんですか。

溝口:辻堂のクリニックで私は現在、第一週目を除き、水曜午前の外来を担当しています。
クリニックは内科、小児科、ペインクリニックを標榜していますが、実際は栄養療法を希望する患者さんが多いですね。

この新宿のクリニックは、心療内科、精神科、内科を標榜しています。

▼統合失調症やうつ病の根本治療

Future Report研究員:心療内科や精神科を標榜しているということは、オーソモレキュラー療法は、痛みを軽減したり、疾病を治療したりするだけでなく、メンタルの治療にも効果的ということですか。

溝口:そもそも、先ほどお話ししたカナダのエイブラハム・ホッファー博士は、精神科医でもあったのです。

彼は、統合失調症が発症する背景にはナイアシンの不足が関係しているのではないかという仮説をたて、立証することに成功しました。

そして、脳内の栄養素を意図的に変えることで、統合失調症を改善できるのではないかと考えたんです。
それを理論的にバックアップしたのが、オーソモレキュラーという単語を考案したライナス・ポーリングで、この二人によって、オーソモレキュラーの基礎が確立しました。

これが1950年代の話です。

Future Report研究員:ということは、もともとオーソモレキュラーは統合失調症などメンタル面での疾患を対象に研究が進んだということですね。

溝口:そうです。

現在も、オーソモレキュラーがもっとも活躍する分野は精神的な疾患です。
実際、脳のトラブルにオーソモレキュラーが非常によく効くということもありますが、通常の治療では精神疾患を治すことは非常に難しく、解決の手段がなかったということも、オーソモレキュラーが精神科でもっとも応用されている理由でしょう。

Future Report研究員:日本では、うつ病などの精神疾患では心療内科を受診して、保険適用の薬を処方されるのが従来のパターンだと思います。

しかし、それでも改善せず、逆に薬中毒のようになってしまっている人も見られますが、そうした現状をどう思いますか。

溝口:僕らが学生だったころ、うつ病は治る病気だったんですよ

基本的に、うつ病は治せるものであり、長期化しないものというのが、当時の常識でした。
しかし最近では、うつ病の治療は困難であり、治らないもの、あるいは、再発しやすいもの、という考えが一般的になっています。

また、従来のうつ病と違う症状や傾向を見せるものを「新型うつ」と呼んで区別したり、どうも、小手先のことで対応しているような感じがします。

もしかしたら、僕らが学生の頃に習ったような、古典的なうつ病の患者はそれほど増えていなくて、その代わり、他のことが原因になって、うつっぽい症状を訴えて「うつ病」と診断されている人が増えているのかもしれません。

Future Report研究員:古典的なうつ病であれ、うつ病っぽい患者であれ、多くの医師は抗うつ剤を処方しますよね。

溝口:精神科の診断基準は症状がベースなので、患者がうつ症状を訴えれば抗うつ剤を処方するということは、ガイドラインで定められた通りです。

確かにそれは現在の日本の医療では正しい考え方なのかもしれませんが、結局、患者がその薬を手放せなくなったり、依存症になったりしていることは否定できません。

Future Report研究員:当然、そんな状態ではうつ病は治りません。
しかし、オーソモレキュラー療法なら抗うつ剤を使わなくてもうつ病を治療できるということですね。

溝口:全員とは言いませんが、通常の標準治療に比べて、かなりの確率で社会復帰することができると思います。

Future Report研究員:抗うつ剤を使わず、どうやってうつ病を治療するのですか。

溝口:ホッファーは、治療のゴールを「どんな患者であっても、タックスペイヤーに戻すこと」と定めました。

つまり、現在日本ではメンタル面での異常が見られると、不安障害や適応障害など「なんとか障害」という診断名をつけて、患者を保護したり、入院させたりすることが治療と考えられていますが、そうではなく、うつ病の患者も必ず治癒し、社会に復帰させて働かせること、そして、薬を使わなくてもいい状態に戻すことが、オーソモレキュラーにおける治療のゴールなのです。

しかし日本では、うつ病の人が病院での治療を終えた後でも、なかなか社会復帰できなかったり、勤務時間や仕事の内容に制限を与えられたり、閑職に追いやられたりしてしまいます。
これは、本当の意味で治療とは言えません。

Future Report研究員:当然、薬もなかなか手放すことはできませんよね。

溝口:うつ症状を訴える人は、ほぼ100%、体内で代謝のトラブルや栄養素の不足が起こっています

従来の治療は対症療法であり、そうしたトラブルの改善に目を向けていません。

そのため、私たちは体内の栄養バランスを整えていくことで、本来持っている自己治癒力を高め、病気や症状の改善にアプローチする根本的な治療を行うのです。

第2回 (2018/6/29号から)

現在、うつ病の患者が増えている。
とりわけ、サラリーマンのメンタルヘルスは政府にとっても重要なテーマであり、2017年6月には産業医制度が改正。
ストレスチェック制度を含むメンタルヘルス対策や過労死防止対策などにおいて、産業医に求められる役割が増大した。

だが、果たして社会ではうつ病患者が増えているのか。
そして、うつ病は本当に治らない病気なのか。
症状が見られたら、心療内科や精神科を受診して、「うつ病は心が風邪をひいたようなもの、誰でもかかる病気です」など曖昧な言葉とともに、抗うつ剤を処方されておしまい、というのが世間一般の流れである。
しかし、うつ病は本当に「心」の病なのだろうか。
心の病と片付けることで、何か、大切なものを見落としていないだろうか。

頭が痛くなっても、お腹を下しても、腰が痛くなっても、「原因はストレスです」という診察で済まされるこの世の中。
「ストレス」という言葉は、まるで強力な免罪符のようである。
ストレスのない人はいない。
だから、ストレスが原因で起こる病気は甘んじて受け入れなければならない。
それはかつて、糖尿病や高脂血症は加齢によって発症すると考えられ、「高齢になったら誰でもそういう病気にかかる可能性があるのだから仕方がない」とし
て、「成人病」という名と共に、安易に片付けられていた時代を思い出させる。

だが、そうした考えは日本の医療が進化するのに伴い、「糖尿病や高脂血症は、自分自身の意識の低さと誤った生活習慣が発症の要因である」と上書きされた。
そして、「成人病」は「生活習慣病」へ名を変えた。
そうした疾病の発症は、あくまでも自分自身の生活習慣が原因であり、「健康は自己責任」とされたのである。

現在、うつ病はかつての成人病と同じ扱いを受けている。
「現代人は誰でもストレスがあるのだから、うつ病にかかっても仕方ない」で済
まされているように思えるのだ。
しかし、もっと患者自身が主体的にうつ病を克服する手段はないのだろうか。
オーソモレキュラー療法という新しい医療を実践する新宿溝口クリニック院長の溝口徹先生に、最先端のうつ病治療について話を聞いた。

▼うつ病も、体内での代謝トラブルが原因

Future Report研究員:先生は、オーソモレキュラー療法によってうつ病を治療していらっしゃいます。
抗うつ剤を使わず、どうやってうつ病を治療するのですか。

溝口:オーソモレキュラー療法ではまず初めに血液検査を行い、体内でどのような代謝トラブルや栄養素の不足が起こっているか、確認します。
ひとがうつ症状を訴える時には、必ず代謝のトラブルが起こっていて、栄養上の問題がみられるからです。
たとえば、ビタミンB群はストレスがかかった時に消費されやすい栄養素であり、これがどれくらい少なくなっているかみることで、ストレスの度合いを測る
ことができます。

Future Report研究員:ということは、ビタミンB群を適正な量投与することで、うつ病を改善できるということですか。

溝口:もちろん、ただ投与すればいいわけではありません。
うつ病になる仕組みはまだ明確に解明されていませんが、過剰なストレスや過労などが原因となり、神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンの量が減少することで、うつ症状がでることもあります。
その場合は、どの神経伝達物質の働きが鈍っているのか突き止め、それを活性化させることで、うつ症状を改善することができるでしょう。
しかしこうした療法は、機能の落ちている特定の神経伝達物質だけに働きかけるもの。
オーソモレキュラー療法は滞っているところだけに働きかけるのではなく、すべての流れを改善します。
そのための第一歩がビタミンB群を投与すること、その中でも特にナイアシンを投与することなのです。

Future Report研究員:ナイアシンはセロトニンの生成に関わる物質ですから、セロトニンを増やすことでうつ症状を減らすという流れですね。
投与量はどうやって決定するのですか。

溝口:各自の状態によって決定します。
ときどき、「ナイアシンを飲んでもうつ状態がよくならない」という患者さんもいらっしゃいますが、その場合はナイアシンが効かないのではなくて、摂取している量が不足していたり、ナイアシンの効果を得るために必要な他の栄養素が不足していたりするケースがほとんどです。
私の経験から言って、うつ病の患者さんの約8割は、適正な量のナイアシンやビタミンB群を投与することでうつ病が改善されています。

Future Report研究員:ナイアシン以外にうつ病の治療に効果的な栄養素はありますか。

溝口:男性なら亜鉛、女性なら鉄ですね。
男性に亜鉛が必要なのは、亜鉛は性ホルモンの合成や精子の生成などに深く関係しているから。
「亜鉛が不足すると男性機能が低下する」と言われるのはそのためです。
だから男性のうつ病患者さんにはナイアシンに加えて亜鉛を投与しています。
一方、女性には鉄を加えることが多いですね。
女性には月経があり、貧血と診断されていなくても慢性的に鉄が不足している人が多いからです。

Future Report研究員:こうした治療結果が出ているにも関わらず、なぜ、日本では効き目が定かではない抗うつ剤を処方するという従来の治療が続けられているのでしょうか。

溝口:保険診療の弊害が大きいですね。
オーソモレキュラー療法は保険適用外なので、患者さんにとって負担が大きくなるでしょう。
またこうした治療法を取り入れることは、少なからず医師にとってもリスクになります。
日本の医療ではガイドラインが明確に定められているので、ラインから外れたことをすると途端に医療関係者からバッシングされることもあります。

Future Report研究員:先生もバッシングされたんですか。

溝口:最近、オーソモレキュラー療法の認知度が高まったこともあり、それほど目立ったことはありませんが、以前はしょっちゅうでしたよ。
患者さんがかかりつけの医師に「オーソモレキュラー療法を始めるために溝口先生のクリニックへ行ってみたい」とお話されたところ、「そんなところ、行っちゃダメだ!」と言われた、というお話はよく聞きました。
また、ある大学教授が執筆した本で、霊感商法など怪しげなものに引っかかってしまったうつ病患者さんのケースをまとめたものがあるのですが、そこにもオーソモレキュラー療法が出てきたんだそうです(笑)
うちの患者さんが、「先生、こんなこと書かれていますよ!」って教えてくれたんですけどね。

Future Report研究員:大学の先生の立場で言えば、食べものやサプリでうつ病が治ってしまったら都合の悪いことがたくさんあるのでしょうね。

溝口:恐らくそうでしょう。
あとは、うちで処方しているサプリメントが一般の価格に比べて高額であることも、叩かれた理由かもしれません。
まあ、高いと言っても霊感商法で買わされる壺よりは安いと思いますけど(笑)

Future Report研究員:このクリニックを開業したのはいつですか?

溝口:15年前です。
当時はまだオーソモレキュラー療法という言葉も認知されていませんでしたから、周囲からはバッシングされるどころか、まったく無視されている状態でし
た。
それが少しずつ認知度が上がるにつれて、叩かれるようになった。
でもここ数年で、状況はだいぶ変わってきたような感じがします。
特に、私が抗加齢医学会に関わりはじめ、脳のアンチエイジングなどのテーマでオーソモレキュラー療法の論文を発表するようになってから、医療業界での扱いが大きく変わりましたね。

Future Report研究員:アンチエイジングは今、もっとも注目されている分野ですからね。
だから先進的な治療を行うドクターたちは、みんなアンチエイジングの分野へ流れるんでしょうか。

溝口:そうかもしれないですね。
アンチエイジングの分野で情報を発信すれば注目も集めますし、ある程度、権威を認められるということもあるのでしょう。
ホッファーは、「価値ある発見を常識に変えるには40年かかる」と話しています。
でも、オーソモレキュラーが始まり50年、日本にオーソモレキュラー療法が入ってきて、すでに30年経っています。
もうそろそろ、常識に変わってもいいのではないかと思っています。

▼寝たきりの状態が、糖質制限とサプリで劇的に改善

Future Report研究員:最近は医師以外でもオーソモレキュラー療法に興味を持つ人が増えましたよね。
鍼灸師や整体師、トレーナーとか。

溝口:そうなんです。
私たちも医療関係者向けに加えて、一般の方向けのWeb講座をはじめています。
鍼灸師やトレーナーなど、健康産業に関わる方だけでなく、最近は主婦の方やOLの方なども受講する方が増えています。
また、オーソモレキュラー療法で病気を克服した方が、「どうして自分がよくなったのか知りたい」という理由で勉強されることも多いですね。

Future Report研究員:食の安全が社会的なテーマになっている現在、栄養学を勉強したいという方は、とても増えていますよね。
でも、従来の栄養学はカロリー重視だったりして、古すぎるという見方もあります。

溝口:最近、正しい栄養学を学びたいというニーズがとても高くなりましたね。
さまざまな健康情報が溢れている現在だからこそ、正確な情報が欲しいのだと思います。
どの油がいいとか、タンパク質はどれくらい必要だとか、そうした知識は一生役立ちますし、家族などの健康維持にも有効ですから。
オーソモレキュラー療法の効き目を一番実感しているのは、当然ですが患者さんご自身です。
だから、「なぜ自分がこの療法でよくなったのか」と突き詰めて考えたくなるのも当然かもしれません。
今、このクリニックのマネジャーを務めている関口さんも、実はオーソモレキュラー療法で病気を克服し、その後に講座を受講したひとりなんですよ。

関口:実は、私自身がオーソモレキュラー療法で病気を治したことがきっかけで、もっと栄養学を学びたくなったんです。
今はまったく問題ありませんが、体調維持やアンチエイジングのためにオーソモレキュラーを日常に取り入れています。

Future Report研究員:関口さんはどんな病気で、いつ頃から治療を開始されたのですか。

関口:クリニックを初めて受診したのは2011年。
子どもを出産したあと、ものすごく体調が悪くなって、ついに寝たきりの状態になったんです。
初めは産後うつだと思っていたのですが、すごく痩せて、食事もまったく取れなくなってしまいました。
しかも、当時はマクロビ食を実践していたので、慢性的なタンパク質不足に陥っていましたし、低血糖症で、血糖値の乱高下もひどかったんです。
2時間何も食べないと心臓がドキドキして平常でいられなくなるくらい。

Future Report研究員:それは深刻な状況ですね。

関口:先生に診察をしてもらったところ、この体調不良は間違いなく栄養不足からきているということがわかりました。
自分では精神の病気だと思っていたのでびっくりしました。

Future Report研究員:どうやって治療を行ったのですか。

関口:まずは完全に糖質を制限しました。
あと、腸内環境がすごく乱れていたので、グルテンとカゼインを控えました
マクロビ食のためにタンパク質が大幅に不足していたため、積極的にタンパク質を取ろうとしたのですが、腸が肉を受け付ける状態ではなくて、先生に「食べられません」と泣きながら訴えたこともあります。
プロテインについても「お腹が張って飲めません」と先生に泣きつきました。

Future Report研究員:食事量の不足はサプリで補ったのですか。

関口:もう、普通じゃ考えられないくらいの量のサプリを飲みました。
特に、鉄分が不足していたので、少しずつ食べられる量を増やしながら、サプリも並行して活用しました。
初めは血糖値の乱高下がひどかったのですが、亜鉛の摂取量を思い切って増やしたところ、明らかに乱高下が少なくなったんです。
体内の亜鉛量を調整するとインスリンの分泌がうまくいくので、ある程度食べなくても血糖値の乱高下を抑えることができるようになったようです。

Future Report研究員:なるほど。
状態を見ながらサプリの量を最適化していったのですね。

関口:長い間運動をしていなかったので、筋肉がかなりやせ細っていました。
ある程度体力が戻ってきた頃、先生に「そろそろ運動を再開してもいいよ」と言われたので、加圧トレーニングを開始。
短時間のトレーニングで効率よく筋肉を鍛えたことで、食事をしても血糖値が上がりづらい状態になりました。

Future Report研究員:寝たきりの状態からそこまで回復するのに、どれくらいの時間がかかったのですか。

関口:寝たきりの状態から起き上がれるようになるまでは、約2カ月。
全快するのに約2年かかりました。

溝口:関口さんはとても真面目で、集中して治療に取り組んだから、2カ月で寝たきりの状態から回復できたんですよ。
とにかくオーソモレキュラーによる治療は、最初の3カ月でどれくらい回復できるかが勝負なんです。
そこでサプリを最適量投与して体調を大きく改善しておくと、そのあとの回復がスムーズになります。
はじめはサプリを多く投与していたとしても、徐々に減らすことができるようになります。

▼血糖値の乱高下が精神疾患を招く

Future Report研究員:現在は、どのように食事をコントロールしているのですか。

関口:今は糖質制限だけです。
治療を始めた頃はものすごい量のサプリを飲んでいましたが、今はちょっと体調を崩したなという時にビタミンB群を飲むくらい。
オーソモレキュラー療法を勉強したこともあって、自力で調整できるようになりました。

Future Report研究員:うつ病などの精神疾患に糖質制限が効果的なのは、どうしてですか。

溝口:うつ症状を招く主な原因は、血糖値が不安定になることです。
もともとうつ病と糖尿病には深い関わりがあることがわかっていて、糖尿病の患者さんにはうつ病が多いことも、反対に、うつ病の患者さんには糖尿病が多いこともわかっています。
血糖値とうつ症状の相関関係については、まだ医学的に判明していませんが、ストレスによって起こる体の反応や、乱れた食生活も関係しているでしょう。
また、うつ病になると生体の防衛反応としてコルチゾールが分泌されますが、これがアドレナリンの分泌を促し、ストレスから体を守る働きをしてくれます。
しかし、コルチゾールはインスリンの働きを弱める性質もあり、このため、うつ病など精神的ストレスが大きくなると、血糖値が高くなると言われています。

Future Report研究員:うつ病と糖尿病は、鶏と卵の関係と似ていて、どちらが先でももう片方を併発しやすいということですね。

溝口:それから、うつ症状の裏には低血糖症が隠れていることが多いということもわかっています。
低血糖症とは、名前から「血糖値が低い状態のこと」と想像しがちですが、実は、「血糖値を調節できず、安定した血糖値を維持することができない」という
状態のことを意味します。
通常は食後、血糖値は緩やかに上がって緩やかに降下するというのが健康な状態で、食後3~4時間経てば血糖値は平常値に戻ります。
しかし、低血糖症の場合は食後に血糖値が急激に上がってから再び急激に落ち込み、その後はずっと低い値で推移する、そしてまた食事をとると急激に上昇す
る、というように、乱高下を繰り返すのです。

Future Report研究員:血糖値が乱高下する原因は、やはり食事内容ですか。
乱高下を招く食事とは、どのようなものなのでしょうか。

溝口:甘いものや炭水化物など、糖質を多くとる食事が大きな原因です。
そういう食生活をしている人は、自覚症状の有無に関わらず、誰でも低血糖症である可能性があります。
血糖値が安定していれば精神状態も落ち着いていますし、やる気や集中力なども自然と起こります。
しかし血糖値が乱高下すると、イライラや不安が募るようになり、うつ状態になることが多いのです。

Future Report研究員:自分が低血糖症かどうか、どうやってわかるのですか。
通常の健康診断で行う血液検査では、空腹時の血糖値しか測定しないため、なかなか自覚することが難しいと思うのですが。

溝口:そこが低血糖症の怖いところで、健康診断では判明しませんし、HbA1cが正常でも、食後の血糖値の細かい推移を見なければ、健康かどうか判断すること
はできません
低血糖症か診断するには、空腹時だけでなく、食後の血糖値を測定しなければならないのです。
当院では通常の血液検査に加えて、ブドウ糖を摂取したあと、5時間にわたって血糖値を測る5時間糖負荷検査を行っています。
こうした検査により、自分が低血糖症かどうか、判断することができるのです。

(つづく)


マリヤ・クリニックの柏崎良子院長の著書もおすすめです。柏崎先生のクリニックも当初はかなりバッシングを受けていましたが、精神疾患治療の実績などから今では多くの医師らが見学に来るように…。 

2018年5月10日木曜日

石井一「約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ」- 金正日は謝罪していた!

月刊日本のこの記事、「約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ」がツイッターやFacebookで拡散され始めたのは先週5月5日。でも、あまりの反響のなさに驚ろいています。NHKが権力の監視役としてまともな報道局であれば(あるわけないので笑ってしまいそうですが)、このインタビュー記事はスクープとして国内外に報道すべき内容だと思います。

拉致問題は未解決、北は非を認めておらず、日本はなすすべがないと思い込まされてきましたが、それは嘘だったことがわかりました。

2002年小泉純一郎首相が訪朝し、地村保志さん、浜本富貴恵さん、蓮池薫さん、奥土祐木子さん、曽我ひとみさんら5名を帰国させたとき、私は日本が拉致被害者を帰国させたのはこれが初めてだと思っていました。


が、1990年には金丸訪朝団の交渉で、7年間拉致されていた第十八富士山丸の船長の紅粉勇さんと機関長の栗原好雄さんが解放されていました。このことは一体どれほど国民に知らされてきたのでしょうか。

月刊日本オンラインの抜粋ページをそのままコピーします。


石井一 約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ


日朝国交正常化交渉が頓挫した原因

安倍政権はこれまで、北朝鮮はすぐに約束を破る信用できない国だとして、対話を拒否してきました。これは日本社会の間でも共有されている意識だと思います。しかし、こと日朝国交正常化交渉においては、約束を破ってきたのは北朝鮮ではなく日本です。我々はこの点から目を背けてはならないと思います。
 ここでは弊誌5月号に掲載した、元日朝議員連盟会長の石井一氏のインタビューを紹介します。全文は5月号をご覧ください。

北朝鮮との約束を破った金丸信と小泉純一郎

―― 今後の日朝交渉を成功させるためには、過去の日朝交渉に学ぶ必要があります。石井さんは1990年9月の金丸訪朝団で事務総長を務めました。

石井 まず僕は1990年7月金丸訪朝団の先遣隊の団長として訪朝しました。自社両党から3人ずつ代表を出し、6人で行きましてね。当時は1982年に第十八富士山丸紅粉勇船長と栗原好雄機関長がスパイ容疑で拿捕された後、7年間も拘束されたままでした。この事件の解決のため長いこと協議し、救出できそうだという心証を得て、金丸訪朝団の実施を決めたわけです。

 2か月後の金丸訪朝団では自民党、社会党、朝鮮労働党の間で三党合意を交わしました。そこで約束したのは、まず国交正常化のテーブルにつくことです。妙香山では金日成金丸と二人きりになり、「ぜひ国交正常化をやってもらいたい」と頼みました。北朝鮮は経済的には相当困窮していましたから。金丸も理解を示し、「まず政府間交渉を進め、その後話がまとまれば、富士山の麓で調印式をやりましょう」と応じたのです。

 次に戦後補償です。「戦前の償い」だけではなく「戦後の償い」を一応認めたわけです。北朝鮮はこの文言にこだわり続けたんですが、僕は「日韓基本条約で韓国には戦後の償いを認めていない。新たな問題になる」と主張し、机を叩きながら反対しました。ギリギリまで交渉しましたが、最後は金丸が「国交正常化が遅れた利息だ」と妥協して認めることになったのです。その結果、紅粉さんと栗原さんは無事に解放されて帰国しました。

 ところが、日本国内は文句と北への批判ばかりで、アメリカや韓国も横槍を入れてきました。金丸はこの抵抗に抗しきれず、日本は国交正常化交渉のテーブルから降りてしまったわけです。このとき、僕は金丸に「アメリカを振り切って、自主外交を貫くべきです」と迫りましたが、当時の金丸の力をしてもできなかった。


―― 2002年9月17日には小泉総理訪朝して平壌宣言に署名しました。これはどう評価していますか。

石井 小泉訪朝には裏話があるはずです。小泉一行は平壌に到着後、北朝鮮側から予期に反して「拉致被害者13人のうち、5名は生存しているが、8名は死亡している」と通告されました。しかし、日本側は事前に「拉致被害者13人は生きていて、全員返す」というメッセージを受けとっていたはずです。小泉は拉致被害者13人を奪還できると思って平壌まで行ったが、土壇場で「8名死亡」を告げられ、茫然自失したのではないか。

 その後、日本側は北の用意していた昼食をキャンセルしましたが、それは「騙された」「話が違う」という不満の表れでしょう。それならば、その場で机を蹴飛ばして帰国すればよかったのです。

 この時、金正日は日朝首脳会談を機に拉致を国家犯罪として認め、主席の立場で正式に謝罪したのです。その上で小泉と金正日は平壌宣言に署名しました。つまり、拉致被害者に関する北朝鮮の説明は、両首脳の間で「事実」として決着したということです。この事実はトップの間で確認されているので非常に重いものであり、拉致問題はこの時点で終わったということです。

 日本側も不本意ながらこれを認めました。現に小泉訪朝の当日に、東京では福田官房長官が外務省飯倉公館に拉致被害者の家族全員を招集して、北朝鮮側の説明を伝達しました。国際社会から客観的に見た場合、「両首脳の合意によって事実を確認した上で拉致問題は決着した」ということになります。

 とはいえ、これは日本人には受け入れがたい結果です。そのため、小泉訪朝後に国内世論は激高しました。またアメリカは日本の独自外交を快く思っていなかった。その結果、日本はその後に平壌宣言を無視し、国交正常化交渉を進めることができなくなったわけです。

 金日成金正日親子2代にわたって日朝国交正常化を求めました金丸信小泉純一郎はその要求に理解を示したものの、最終的に国内・国際情勢に抗しきれず約束を守ることができませんでした日朝国交正常化交渉において約束を破っているのは、北朝鮮ではなく日本だということです。……
引用ここまで。

ついでにキャプチャを貼っておきます。



「約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ」PDF はこちら。

是非、全文読んでください。少しでも信頼に値する言説を残したいと83歳の石井一氏が
後世の評価に足る言説を残さなければならないという思いで、長年、日朝議連会長としての度重なる訪朝で得た体験を通して、あえてこの時期にお話します」と応じた会見です。

拉致問題は政治利用しか考えず、北朝鮮とは自分で交渉を試みもせず、海外首脳に会う度に日本への協力と理解ばかり求めて、それを全国放送で自慢する幼稚園児レベルの自称ソウリダイジンとは全く次元の違う本物の政治家たち、私たちの代表として自国と他国共存のために誠意を尽くす人たちが、ついこの間までこの国の行政のトップにいたわけです。

全国民がここに書かれた事実を知り、真剣に議論すべきことではないでしょうか。



月刊日本5月号、650円で他にも良記事満載。バックナンバーの4月号といっしょに買ってしまいました。



月刊日本2018年5月号

内容紹介

特集1 【安倍首相に議員辞職を勧告する】
平野貞夫 安倍政権では国が亡ぶ
玉木雄一郎 安倍政権に正当性はない
藤井裕久 官僚を政局に巻き込むな
福島伸享 自民党は血みどろの権力闘争をせよ
中村慶一郎 安倍退陣へ動く竹下総務会長
菅野完 バカとの戦い
特集2 【破綻した安倍朝鮮外交】
石井一 約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ
菅沼光弘 日本は蚊帳の外に置かれている
東郷和彦 新・日朝平壌宣言を締結せよ
東京都迷惑防止条例改悪─権力批判を封じる安倍政権
本誌編集部記事
望月衣塑子 メディアは権力に屈するな
小林節 安倍政権による言論統制
これが、ミャンマー「ロヒンギャ問題」の真相だ
小川寛大 ロヒンギャは不法移民だ
小野耕資 イギリスよ、お前が言うな!!――問題の本質は植民地支配の残滓だ
注目のインタビュー
白井聡 対米従属の原因は「国体」にある

2018年5月7日月曜日

格安SIMに乗り換えて月額コスト2,000円以下をめざそう(アドバイス体験談)

FB友だちのスマホ(auで契約したAndroid)が壊れ、以前から考えていた格安SIMへ乗り換えそうなので、そのとき役に立ったというアドバイス(2回分)をコピペします。

私は2014年3月にSoftbankのiPhoneを解約して、Aquos PhoneU-mobileのデータ通信用SIMを入れて使い始めました。080番号を捨てて050plusLINEViberだけの生活に。(格安データ通信SIM+スマホ用050IP電話でモバイルコスト激減(体験談①「データ通信SIMを買う」))2016年8月にSIMの月間通信容量を3GBに増やすときに、最初半年が使用量無料になるDTIに乗り換え、2017年4月には070で始まる携帯番号を取り直すことにして、mineo(docomoプラン3GB)の音声通話SIMに乗り換えました。

ちなみに、直近情報をざっと検索してチェックしましたが、コストはここ2年ぐらいあまり変わっていません。音声通話SIMナシで050電話とLINEなどのアプリだけ使えるデータ通信SIMにするなら月1,000円前後から、070/080/090などの電話番号も維持できる音声通話SIMなら月1,700円前後から。それより多かったり少なかったりするときは、マイナーなサービスが含まれてたり含まれてなかったりって感じです。

ではコピーここから。

*******
Q.音声通話SIMの音質はどう?

音声通話の070は、ふつうの携帯電話を使っていたときと違いをまだ全然感じません。インターネット回線といっても、スピードが遅いのとか感じないし、音質はほぼ完璧です。

普段はかけるのもかけてもらうのも通話料金が安い050を使っています。が、携帯電話でかけ放題サービスなどを使っている人には070のほうにかけてもらっています。また、0120や0570などへは050からはかけられないことが多いので、070を使っています(110、119などの緊急電話もこちらからのみOK)。

050は、mineoの場合、LaLaCallを推奨していて月額基本料金が108円で、通話料は普通の固定電話と同じで、月100円までは無料。固定あては3分8円ぐらいで、携帯電話あては…確か割引なし通常料金の半額(※2018年5月現在、LaLa Callでは30秒8.24円)。

私はもともとLINEやメールしかほとんど使わないので、数人のガラケー族相手のために月額1000円増えることも悩んだのですが、050は飽くまでアプリ依存。PUSH通知にしていてもかかってきてから応答するまでに留守電へ行ってしまうことや、こっちはすぐ出ているのに相手は10回以上コールしていて切る寸前だったりってことが多かったんです。で、保険として070も入れることにしました。(※約1,000円増えたのは、300円の留守電サービスも付けたためで、付けなければ約700円アップ。050電話をメインにする人はボイスメッセージはメールの添付ファイルで無料で送られてきます。

また050はナンバーポータビリティがまだ効かないので、サービス会社を替えると変更しないとダメ。こんど手に入れた070番号は持ち運べるので一生保持しようかと思っています。(私は通常、気に入る番号が手に入るまで何百回でも選び直しをするんですが、070は選べなかった割りにはすごく気に入る番号を割り振ってもらったのでご機嫌です♪)


私も理解するまですごく時間かかってたんですが、まず、docomo, au, softbank, Y!Mobileの4社は一般にいうキャリアとか「携帯電話会社」で、MNO(Mobile Network Operator)と呼ばれ、090, 080, 070番号を発行でき、通話のときはその二者は専用回線で優先的に繋がるので速くて安定しています。(最近ではWiFi回線を所有するau系WiMaxもMNOに入るらしいけど、電話のサービスはやってないはず。)

mineoとかDTIとか楽天モバイルとか…最近無数に出ている格安SIM販売者は、docomoやauが卸してるインターネット周波数を買っていて、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)と呼ばれます。借り物の回線なので"仮想"なんですね。

で、格安SIMだけだったら本来通話はできないんですが、テキストメッセージ(SMS送受信)ができるオプション(=データ通信SIM)を選ぶと、050通話アプリを使えば通話ができるんです。でも、アプリだから、メールアプリやゲームアプリ同様、呼び出し音がなってもまずアプリを開かなければいけないし、スマホに最初から備わっている090等用の電話機能じゃないので、まだ色々トラブルがあるんです。※2018年5月現在、LaLaCallなど、通常電話のようにすぐ表示+スワイプできるよう改善されている050電話もあります。

これだと不便が多いので、(私の印象からすると後から出てきたのが)「音声通話機能」がついた格安SIM。同じくMVNOのサービスなんですが、スマホの通常の電話機能が使えるので接続状態が実感としてすごくいいです。たくさん通話したい人には音質がイマイチなのかもしれませんが、一般のスマホ月額使用料が6500円ぐらいするのに比べて、1000円アップの2000円ぐらいで090等そっくりのことができるんです(留守電サービス不要なら1700円ぐらい)。これでたくさん通話したい人には月額定額サービスもあったと思いますが、私には割高なので使っていません。

却って混乱させたかもですが、どんなに整理されたのを読んでも、別の疑問がわくので使い始めてやっとスッキリしたって感じです。
MVNOとは? 最近耳にする不思議な呪文の正体(2015.5.11)


[それでも普通の携帯電話の速度と音質が欲しい場合]
Y!Mobileのショップに行くと、月額1980円のキャンペーンをやってますが、Yモバは携帯キャリアなのでそれは1年目だけで(2018年5月現在は月額1,706円で12ヶ月)、2年目からは2980円(+税)かかります。でも他社の6500円に比べると、回線の品質はソフトバンクと同レベルなので格安ではあります。でも2年縛りもついてきます。※Softbankの通信可能範囲は他社に比べて狭いので注意。

[MVNOのSIMの話に戻ります]
格安SIMは、大体わたしの選択肢が平均的だとは思います。確か090等番号(=音声通話SIMのこと)は1年縛りだったと思います(12ヶ月経つ前に解約すると違約金が12000円ぐらいかかる)。でも毎月2000円だったら縛られたって乗り換えるまでに1年ぐらい我慢できます^^。

mineoは大手なので困ったときにネットに情報が多いのがいいんですが、唯一嫌なのは、月額通話料100円まで無料のLaLaCallは…というよりmineoのサービスの場合の契約相手がeoネットで、これは関電系列なんですw(T-T)…。せっかく電気を関西電力からコープでんきに5月から切り替えて、干してやろうと思ってるところですが、少額ながらLaLaに毎月108円払うようになってしまいました。(mineoの料金は考えないようにしていますっw←実はmineoそのものが関電系)

Q. これまで使っていたスマホに格安SIMを入れて使える?

iPhone6からキャリアに関わらず格安SIMが使えるようになったみたいです
iPhoneがそのまま使える格安SIMと対応機種まとめ
で、auのiPhoneはmineoなど3社が使えそうです。(iPhone5sから白ロムにできるので格安SIM使えます。

最近はアンドロイドなら1万円前後だし、iPhoneでも5sぐらいなら、中古で1万5千円ぐらいのがあります(auプランのSIMならiPhone5sは数千円、iPhone6でも1万円台前半から)。それを割賦で買った場合と想定して足して料金を比較してもやっぱり格安SIMのほうが安いと思います。

ちなみに私は昨年Appleで78,800円でずっと欲しかったiPhone6+を直接購入しました。1万円以下のアンドロイドをいくつかハシゴしたんですが、色々トラブったので。今考えると、一般電話から受信できるのが050電話だけになってたことが一番問題だったみたいです。音声通話だったら呼び出し音が鳴れば、スワイプ1回で通話できるはずが、アプリ経由の050は鳴っても何度も取り逃がしたり、相手が急ぎのときに限って留守番システムに勝手につながってたりで気づかなかったりしたんです。


私が月額コスト約2000円と言っているのは、3GBコースで070/080/090の音声通話に留守電オプション300円(+税)を付けている場合です。
mineoの月額料金
たまにWiFiのない場所でGoogleマップを見たり、動画を見たりする程度で、ふだんはメールチェックと通話であればこれでも多いぐらいで、でも、回線混雑時でも安心して電話(音声通話)を受けられるんです。私がアンドロイドスマホで失敗した一因がひょっとしたら、050plusの接続速度と1GBの組み合わせだった可能性があります。

050電話はたぶんどの会社でも留守電サービスは無料で、メールに音声ファイルを添付してくれるのを選べるのでいちいち電話で確認しなくていいので便利です。知り合いとしか通話しな人だったら、留守電残したいときはこっちへ、と言っておけば090の有料オプションはなくてもいいかも。

050plusはNTT系で050電話では最大手なんですが、色々問題があるので、LaLaCallのほうが気に入っています。ただ、アプリはLaLaは故障が多いらしく、私も何度か再起動しなければ立ち上がらないということを経験しました。

なお、mineoは最初の手続きの約3000円がほぼ無料になる方法があるらしいです。私は契約してからマイネ王のサイトで気づきましたが、紹介もできるみたいなので、乗り換え時期にはご一報ください~。

[ここからは、2018/5/6の会話より。上記から数ヶ月たっているので重複があります。]
コストの問題であれば、いまauポイントがいくらあって、2年縛りの次の切れ目がどこか、ということですね。ウチの母は、切れ目だと勘違いして乗り換える気になったときに解約期間が過ぎていて、約1万円の違約金も払う覚悟をしたんですが(もう面倒くさくなったらしく)、ポイントがすごく貯まってたので元がとれてました^^。

2年縛りは禁止に向かうけど、今まだ縛られてる人は多いと思うので、キャリアで確認してもらうことが必要です。

そこで改めて、何に乗り換えるかの話ですが、Yモバは通信範囲がNGで却下みたいだから、AndroidiPhone中古格安SIM050電話ですね。(OCNで月額300円の050ってことはNTT系の050plus等だと思いますが、確かにユーザ数が多くて安心だけど、050plusも色々問題あって、私はアプリではちょっとバグが多いけど100円で通話100円まで無料のLaLaCallに乗り換えました。他に無料のViberもLINEもあるし、緊急なら少々高くても通話付きSIMの070から普通に電話するので問題ないです。)

Androidは安いけど、安いAndroidで性能がいいやつだと私の時みたいに、モデルチェンジして旧モデルのバッテリ販売をやめてしまったり、新品バッテリをみつけて取り寄せても、管理が悪いのかすぐチャージできなくなったりというリスクもあります。(格安SIMを使う場合、日本製ではないほうが余計なアプリが搭載されていなくて価格も安く使いやすいですが、こういうことが欠点。)

iPhoneは高いんだけど、5.5インチの大型でなくていいのであれば、いま一番おすすめはiPhone6au用中古です。
au版 iPhone6 16GB シルバー 白ロム Apple 4.7インチ


バッテリは前ユーザが投げ出したときのかなり減っているのが入っているので、別購入します。(「本体のみ」と書かれていても古いバッテリは通常入っているので初期の確認ができますが、シールでくっついてるバッテリを外す手間がかかります。)

DIGIFORCE バッテリー 交換 PSE 説明書・工具付 for iP 6
デジフォースの工具付きがおすすめです。

で、添付の写真入り説明書とかYouTubeを見たら、5sと比べたらはるかに簡単にバッテリ交換できます。(女性でもその気になったら割と簡単にできます。工具さえ要らないアンドロイドより面倒ですが。

iPhone6バッテリー交換

格安SIMが使える一番安いiPhoneはiPhone5sですが、画面が小さすぎるし、バッテリ交換しようとするとケーブル切断しやすい構造になっています。

ここにmineoなどau用SIMも扱っているMVNOでau用SIMをゲット。(iPhone本体のコストが3割ぐらいアップしてもいい人はdocomo用SIMがさらにおすすめ。)通常電話用の番号を残したいでしょうから、月間1000円ほど高くて総コストが2000円近くなるけど通話SIMを買います。(留守電機能など色々入れていくとどこで契約してもほとんど大差ないので、ユーザ数が多くてトラブル時でもネット情報が多いmineoがおすすめです。)

もしdocomo用のSIMをすでに持っていて使いたい人も、au用iPhoneを買って、SIMカードに1000円ぐらいの下駄を履かせると使えるのでau用のほうがお得です。(docomoプラン用SIMカードを選ばない人には関係ない話ですが。)


クラウドサービスに関しては、GoogleドライブとかiCloudどかDropBoxとかPolarisとか、設定次第で同期できるものにしておいて、ときどき充電をノートPC接続でやっておけば、PCとクラウドの両方に保存できます。ここを自由にやらせない携帯キャリアのはやめたほうがいいですね。

私がAndroidを断念した理由の一つが、PCと音楽を共有するのにあまりにトラブって、いつもPCで聴いてるアルバム1つ満足にSyncしたり別途プレイリストを作ったりできなかったこと。WindowsでもMacでも大変な思いをした挙げ句に断念しました。(単にこっち方面が無知なだけかもですが。)

iPhoneはiTunesさえあれば簡単だし、最近はUSBメモリのコネクタSyncさえ不要でファイルの移動やコピーができてます。(たぶんWin-Androidでも似たようなデバイスはあるのかも。)
Trusda 【Apple MFi 認証】32GB フラッシュメモリ iPhone iPad iPod Touch対応 USB3.0メモリ OTGラ イトニングコネクタ付き フラッシュドライブ (ゴールド)


5.5インチのiPhone6Plus...
2万円台前半でありましたw
Apple docomo iPhone6 Plus A1524 (MGAK2J/A) 64GB ゴールド

おっと、安いからauがいいと勧めておきながら、docomoSIM用のiPhoneでした。
5.5インチiPhone6plus auのSIM用はこちら。16GBですが、良品が2万円前後から。新品なら4万円台。
Apple iPhone 6 Plus 16GB シルバー 【au 白ロム】MGA92J


バッテリも5sのほぼ倍の2千円台。
DIGIFORCE バッテリー 交換 PSE 説明書・工具付 for iP 6 Plus


ちなみにAppleのデバイスは保険が高いから、縁がしっかりしたケース(カバー)や保護フィルムで十分で、もし壊れたらApple専門の別会社で修理してもらったほうが安いです(フロントパネルが割れて交換するぐらいなら、パーツを取り寄せてYouTube動画見ながら自分でできます)。私は何度も1mぐらいの高さから床や駅のホームで落っことしてるけどケースのおかげで壊したことありません。

iPhone vs Androidの話ですが、たぶん世界的にはiPhoneのシェアは2割程度です。あまりにも本体価格が高いから。なので、私も中古+純正じゃないバッテリという組み合わせが使えると認識するまでは、iPhoneは贅沢品でしかないと思ってました。

でも、母はすでに1年近く使っていて問題ないし、あってもバッテリ交換ならまた1000円ぐらいでできるので、それならいいな、と。

日本ではキャリアが割賦制にして買わせてるからiPhoneシェアは5割ぐらいだと思います。一社でこれだけのシェアがあると、特に年寄りに持たせるにはトラブルのときに答が出やすくていいなと思った次第です。私自身、価格基準でアンドロイド買い換えてたから、毎回メーカーやスペックが変わって、調べることが多くてうんざりしたので。

[格安SIMを販売するMVNOの比較サイトを見ながら]
"楽天モバイルでは通信容量が月3.1GBまでの標準的なプラン(音声通話SIMの月額料金1600円)"  これに 前月に余った通信容量を最大5回線で共有する「データシェア」オプション(月額100円/1回線) を追加すると、1700円。
 ね、私の入ってるmineo(3GBだった)もほぼ同じで1700円でデータシェアは最初からついています。なので、どこも料金だけならほぼ同じなんですよ~。楽天は私が調べた時点では最安じゃなかったけど、1600円が選べるようにしてトップになったのかも。(これには、070/080/090からかける音声通話の楽天でんわからの通話料金が、一般の30秒20~40円に対し10円というのもあるようです。

iPhoneは中古でも高いので、au用のSIM専用だとdocomoSIM用より本体が安いんです。au用SIMといっても、会社としてのauとは関係なくて、MVNOに通信帯を卸しているのがauってだけなので、auからは解約することになります。

私も、母が元々au携帯ユーザだったので何かメリットはあるかもと期待してたけど、全然なかったです。

あと、mineoに限らず、公式サイトでキャンペーンを見つけても、アマゾンで同じMVNOがSIM販売してたら、手数料なども含めてそちらのほうが安い場合があるので、両方チェックしたほうがいいです。

たぶん最初にやることは、auに連絡してMNP予約番号取得をゲットすることですね。

メアドはやっぱりGmailがおすすめです。iPhoneでもAndroidでも標準で入っているし、セキュリティ上はちょっと甘いけど、私なんかはログインしたまま状態にしてるので、Googleマップや、GoogleでサインインのYouTubeなども、PCで見てる自分のページをすぐスマホで呼び出せます。

********
こんなところです。どうしても色々新たに覚えることがあって最初は面倒ですが、そこをクリアしたら、これまでのガラパジャパンの月額コストの半額以下、他国並みの料金でスマートフォンが使えます。

月額コスト、通信速度やオペレーターの対応など比較しているサイトも多いですが、優劣は刻一刻と変化します。そして、価格は時間かけて比較してもそれほど変わらないので、知り合いが使っているところを試しに使って、気に入らなければ1年後に乗り換えればいいのではないかと思います。私の経験からすると、U-mobileは責任者の対応が悪かったので会社そのものを信用しなくなりましたが、ひょっとしたら人員も入れ替わってるかもしれません。DTIは、半年も無料でSIMを使わせてもらって感謝してますが、音声通話SIMに乗り換えたかったときに、ウェブサイトが古くてどうすればいいのかよくわからなかったので、mineoに乗り換えました。今後数年は、スマホはこのままでいいんじゃないかと思っています。

ちなみに、家や職場、カフェなどではWiFi接続し、屋外ではたまにGoogleマップを利用、電車の中でたまにYouTubeを一般の通信網を使う4GLTE回線で30~60分視聴する程度であれば、月2GBや3GBでも足りますが、うっかり家の中でもWiFi無効にして4GやLTEのまま何度も動画を見ていると、上限に達してしまいます(それを超えて使っていると、mineoの場合、追加料金が発生するのではなく、月末まで低速モードに変わってしまうので、動画が途中で途切れやすくなったりします)。

2018年4月21日土曜日

日本史に記されるべき赤松小三郎という志士 - IWJによる関良樹氏インタビュー

ことし2018年に"明治維新"から150周年を迎えるということで、大日本帝国を礼賛する安倍政権がいろいろ仕込んでくるであろうと予想される一方で、明治維新という欺瞞を暴く書籍なども徐々に読まれるようになり、原田伊織氏の著書「明治維新という過ち : ~日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」が長期でベストセラー入りしたりしています。

徳川の封建主義的圧政に苦しんだ庶民に代わって、旧体制を討滅したのが薩長の志士たちだった…などという美談がウソだと徐々に周知され、それは既に優秀な徳川官僚により開国に向かっていた平和な日本の国での、20代のテロリストらによるクーデターであったことがわかってきました。近い将来、"明治維新"ということばは教科書からは消え、明治の政変とでも呼ばれるようになるのではないかと思います。

さて、幕末から明治にかけての真実を掘り起こしてきた研究者のひとりが、拓殖大学の准教授、関良基氏。2016年12月に「赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢」という本を出されました。ただしご専門は農学・森林科学の理数系です。(なんと2014年に他界された経済学者の宇沢弘文教授とも共著があります。)

赤松小三郎は信州上田藩の藩士ですが、その思想が驚くほど近代的だっただけでなく、日本各地に赴き、幕末・明治の所謂大物たちとも直接関わっており、歴史の教科書に一切その名も業績も載っていないということが非常に不自然な人なのです。

Amazonの本の説明から一部コピーします:
■赤松小三郎(あかまつ・こさぶろう)幕末の兵学者・政治思想家。天保2年(1831)~慶応3年(1867)。上田藩士。勝海舟の従者として長崎海軍伝習所に学ぶ。薩摩藩に請われ英国式兵学を教え、東郷平八郎、野津道貫ら、日本陸海軍の指導者たちを多数育成。また、普通選挙による議会政治、人民平等、個性の尊重など、現行憲法に通じる憲法構想を、徳川・薩摩・越前に建白した。徳川政権と薩長の内戦を回避し、平和的な新政権樹立を目指したが、大政奉還を目前に京都で暗殺された。享年37歳。

長崎海軍伝習所では数学と語学ができない勝海舟の補佐をし、薩摩藩には最新の英国式兵学を伝授。大久保利通と西郷隆盛(が送った刺客)に京都で暗殺されており、赤松が残した建白書などの重要資料はすべて大久保と西郷が焼却してしまったとのこと。

そこが完全には証明できないとしても、陸軍元帥の野津道貫や、海軍元帥の東郷平八郎が、赤松の門下生として兵学を学んでおり、暗殺された赤松の遺族に弔問金を持っていったときに『我々がロシアを撃破できたのも、 思えば、赤松先生の薫陶の賜物と言うべきである』とまで言っているんです。それほどの人が一切、幕末・明治史には出てこない。明らかに一切の記録を消したかった人たちがいたということですね。

兵学のスペシャリストであった赤松小三郎ですが、国防に関しては徹底した専守防衛思想でした。というより、この国はずっと専守防衛が当たり前で、秀吉の朝鮮出兵のほうがイレギュラーだったわけです。資源を求めて他国に攻め入った歴史を反省したからこそ徳川時代は国内ですべて自給自足できるように産業を発達させました。

いまの日本国憲法よりある意味進んでいた素晴らしい立憲思想の憲法草案がどんな過程で生まれたのか。どんな形で私たちの祖先たちはその好機を逃してしまったのか。当時の多くの人々が本当に望んでいた次の時代はどういったものだったのか。そういうことを私たちは知る必要があります。武器商人にそそのかされた長州テロリストたちがいなければ、実は御三家を含む武家の感覚すら、すでに議会制民主主義へ進み始めていたのです。

歴史学者は学会の長老たちが嫌がることは書けないらしいので、上田出身の関氏が書くことにしました。(歴史学者で赤松小三郎を初めて発掘したのは佛教大学の青山正忠教授。)

ということで、関氏の著作を約2000円で購入(または図書館に購入依頼)することがまずオススメなのですが、IWJで著者の生の声を聞くことは更にお得ではないかと思います。特に歴史好きでなくても、目の前で起こっている恐ろしい政治劇場が、トークの中で解説されていくわけなので、できるだけ多くの人に視聴してほしい。IWJと交渉できるだけの大金をお持ちの方は、高額寄付でこの動画を無料にしてもらってください(^^)。


では、IWJのダイジェスト視聴・購読と、有料版全編動画・フルテキスト購読にご興味ある方への説明に入ります。

2017年6月6日7月11日2回にわたって、IWJ岩上安身氏による拓殖大の関良基准教授のインタビューが行われました。普通なら、そこへのリンクを貼るだけでことは足りるのですが、合計10時間以上に及ぶ長時間のトークと、その密度の高い内容をIWJスタッフが年末までかけて5回に分けて書き起こしたテキスト(スライドや挿絵にキャプチャ画像おおよび詳細注釈つき)へのアクセスがちょっとややこしいので、ここで整理してみたいと思います。残念ながら格安ではあるのですが有料情報です。

ダイジェスト動画とダイジェストテキストの公開記事ページへのリンクだけを貼るとこうなります。
  1. 「長州レジーム」から日本を取り戻す! 歴史から消された思想家・赤松小三郎の「近代立憲主義構想」を葬った明治維新の闇~岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー(その1) 2017.6.6 ↓この動画と全編動画購入ボタンのページ。
  2. 日本で最初の立憲民主主義思想は現行憲法よりリベラルだった!? 幕末の思想家・赤松小三郎の暗殺に見る「明治礼賛」の虚妄! ~岩上安身による拓殖大学関良基准教授インタビュー(その2) 2017.7.11 ↓この動画と全編動画購入ボタンのページ。

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  3. 【第322-332号】岩上安身のIWJ特報!「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー(その1) 2017.8.10 
  4. 第333-340号】岩上安身のIWJ特報!「長州レジーム」から日本を取り戻せ!歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー(その2) 2017.10.2
  5. 【第341-345号】岩上安身のIWJ特報! 「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー (その3) 2017.11.2
  6. 【第346-349号】岩上安身のIWJ特報! 「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー (その4) 2017.12.3
  7. 【第350-355号】岩上安身のIWJ特報! 「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇 岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー (その5) 2017.12.30

IWJのインタビューで1回4時間ぐらいというのは珍しくなく、スタッフが15分ぐらいのダイジェスト版にまとめると、たいていは一番肝心なことがそこに入ってくるので、動画リンクだけで重要箇所の紹介ができるのですが、今回はインタビュー開始からの15分を単純に切り取ってあり、(しかも現在進行系で長州閥の横暴を実演している安倍政権のせいで岩上さんのトークが時間をとってしまっており、)関氏の重要発言がほとんど入っていません。あまりに内容が濃いので、15分にまとめることは断念されたのかもしれません。

アーカイブを購入すると、たいてい全編動画へのリンクが送られてきて、もし書き起こしテキストがあれば一緒に表示されるのですが、今回は動画2つテキスト購読5つに分かれます。非会員は1つ500円一般会員は1つ50円。誘導されるとおりにClickしてカートに入れてPayPalで購入すると、メール2週間有効の視聴・購読用リンクが送られてきます。月会費3000円のサポート会員はすべて無料です。

ちなみに、例えば1つめの公開動画を見ていると、こんなふうに、2つめの動画と5つのテキスト記事へのリンクが下の方の「関連記事」の欄に表示されます。

【第322-332】などと最初に書かれているのは、メルマガ配信のときに使ったテキスト記事です。ここでは一番下が、いま開いていないほうの動画へのリンクです。

ややこしいのは、既に購入したページで動画やテキストを見ていて、下に出ている次のをClickして購入しようとすると、そこはサポート会員専用ページになっており、どこにも進めないんです。一般会員はあくまでタイムリミットがついたリンクをメールで受け取るようになっています。混乱した人はこのブログ記事に戻ってきて、上のリンクを使ってください。

1つが4時間とか6時間もあるとなると、最初から気が萎える人もいるかもしれませんが、単純作業をしているときにモニタの隅で流しっぱなしにするとか、キッチンなどで料理中にスマートフォンで視聴すれば、1~2時間ぐらいは簡単に過ぎたりします。

既に日本史に出てくる固有名詞に詳しい人や、逆に大雑把な流れさえわかればいいという人は、テキスト記事は不要かもしれません。でも、ひょっとしたら今の子どもたちが親になる頃の義務教育では、私たちが教わってない、このスライドに写真が出てくる人たちのことが教えられているかもしれませんので、画像と名前を一緒にインプットしておきたくなるかもですよ~。

私利私欲のために国を滅茶苦茶にしたテロリストらはテロリスト然とした風貌で。本当にこの国のために尽くしていた人たちはそれなりの爽やかな風貌で。暗殺を煽りまくり、子どものような行動を取り続けて29歳で死んだ吉田松陰が、一般に出回っている肖像画ような熟年の人格者というのはあり得ないわけで…。まぁ純粋は純粋だったそうですが。


なお、明治の政変の真実については、てっぺんで言及した原田伊織氏の著書の他に、苫米地英人博士の「明治維新という名の洗脳」もぜひ読んでみてください。

薩長、とくに長州のテロリストらが育ってしまった背景には何があったのか、それがどう現在のブラックボックスだらけの政治に繋がっているのか、お金に関するデータから分析してあります。特に、英国政府と英国内の軍事利権は別物であることを理解している苫米地氏ならではの分析は、政治史を読み解くときには必読だと思います。





※この記事は、アメブロの「明治の人々が大嫌いだった明治政府。以来、150年も日本を占拠してきた長州レジーム」の補足として書きましたが、赤松小三郎についてはまだまだ肝心なことが書けていません。詳細はいずれ追記できればと思っています。