2015年12月3日木曜日

LiFi革命 - 可視光線でWiFiより速い通信を

なんと…私たちが新しい通信技術とかそれどころじゃなかった2011年の夏に、こんな開発が発表されていたとは知りませんでした。そしてそれが実用段階に入りつつあるとは…w(゜o゜)w

しかも、人体に安全、セキュリティ上も安全とわかっている太陽光や電球などの可視光線。LEDを活用すればエネルギーも大幅に節約できるという新技術。

とりあえず、開発者のハラルド・ハース教授(エディンバラ大学, Chair of Mobile Communications)が出ている動画と関連記事を埋め込みます。

ハラルド・ハース 「電球からのデータ発信」


これは日本語字幕が付いているので、そのまま理解できると思います。
YouTubeページからのコピー:
2011/08/02 にアップロード
世界中の電球からデータを発信できたらどうでしょうか?TEDGlobal でハラルド・ハースは、それを実現させる機器の初のデモンストレーションを行います。­人間の眼では認知できない速度でLEDライトを点滅させることで、セルラー方式の電波­を使うよりも遥かに多いデータを送ることができます。さらに効率性・安全性・有用性で­も従来のものより優れています。



11月29日のTechInsightジャパンからのブレイキング・ニュースを引用します。

【海外発!Breaking News】次世代通信「Li-Fi」。Wi-Fiの100倍、映画18本を1秒でダウンロード。

 2015年11月29日 20:15 by A.C. 
「Wi-Fiがつながらない」「スピードが遅すぎてイライラする」といった問題を解決してくれる次世代の通信技術が大規模なテスト段階へ入ったもようだ。『sciencealert.com』が報じている。 
「Li-Fi」とは簡単にいえば電球、テレビ、信号機、電光掲示板など身近に存在する“光”を通して無線データ通信ができるようになる画期的な技術だ。 
2011年スコットランド・エディンバラ大学のハラルド・ハースさんによって開発され、ミクロ単位のLEDと光センサーを使用し、光をデジタル信号に変えて通信するというもので、モールス信号の原理と似ている。人間の目に見える可視光を使用し、光の点滅具合でデータを分析するわけだが、光は超高速で点滅されるため人間にはただの光にしか見えないという。 
 しかも光は壁を通り抜けることができないため、電波の妨害、傍受などのセキュリティの強化も期待できる。米オックスフォード大学の研究者が今年初めに行なった実験では、毎秒224ギガビット、Wi-Fiの100倍の速さを出すことに成功した。これは1.5ギガバイトの映画18本がたった1秒でダウンロード可能になるという驚異的な速さだ。 
現存する建物はLi-Fi用にデザインされていないため普及には時間がかかるのでは? という懐疑的な意見もあるようだが、エストニアの首都タリンではオフィスや産業界での実験が成功を収めており「LED電球が組み込まれたマイクロチップを通してインターネットにアクセスできる日が来るのもそう遠くはない」とハースさんは楽観的だ。 
 電波のように波長に制限がないうえ電波塔が不要になるため、電波の届かない僻地でやきもきすることはなくなる。さらに電波による人体への影響の心配がなく安全だ。 
光さえあれば無線通信が可能になるというLi-Fiは無限の可能性を秘めていると言えそうだ。これまでの小規模の実験からさらにその規模を拡大し、できるだけ早期の普及を目指すという。

そして、こちらの動画は今年9月のLiFiによる動画転送のお披露目。12月2日のアップロードのほやほやです。英語字幕をオンにすれば、なんとなく理解できると思います。

Forget Wi-Fi. Meet the new Li-Fi Internet |
 Harald Haas | TED Talks


薄いハンカチで光源を覆うと、オン・オフだけのスイッチとは異なり、微調整もできるということがわかります。

YouTubeページからのコピー:

2015/12/02 に公開
What if we could use existing technologies to provide Internet access to the more than 4 billion people living in places where the infrastructure can't support it? Using off-the-shelf LEDs and solar cells, Harald Haas and his team have pioneered a new technology that transmits data using light, and it may just be the key to bridging the digital divide. Take a look at what the future of the Internet could look like. 
TEDTalks is a daily video podcast of the best talks and performances from the TED Conference, where the world's leading thinkers and doers give the talk of their lives in 18 minutes (or less). Look for talks on Technology, Entertainment and Design -- plus science, business, global issues, the arts and much more. 
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発掘しだすと面白くてきりがないですが、こちらの75分動画も見応えがあります。

Prof. Harald Haas - My Li-Fi Revolution


2014/04/23 に公開
In the 2014 Tam Dalyell Lecture, Professor Harald Haas, Chair of Mobile Communications at The University of Edinburgh, reveals an amazing innovation that could change wireless communications forever.  
The Li-Fi system uses standard light-emitting diodes (LEDs) to transmit electronic data signals, which will enable users to access the internet through the ordinary lighting systems in schools, workplaces and homes. This revolutionary invention has the potential to bring cheap, energy efficient and super-secure wireless access to the world. 
Recorded on Sunday 13 April at the University of Edinburgh's Playfair Library.

Google Translateはこちらσ https://translate.google.com/?hl=en
英辞郎はこちらσ http://www.alc.co.jp/


いやはや、光というところがミソで、単にこれまでの通信の枠では思い至らなかったようなことが次々出てきます。灯台下暗しというか…。

インターネットというよりは、電話が発明されたときの通信革命に匹敵するんじゃないでしょうか。