2015年3月4日水曜日

自然を見つめた写真家 - 人間は本来温和だった (セバスチャン・サルガド、プロジェクト「ジェネシス」の紹介)

戦争は本当に避けられないのでしょうか。

私はこの動画を昨年9月にFacebookで見るまで、人間の性として、戦争は永遠に避けられないものだと思っていました。ジョンレノンがイマジンで夢想するような時代は来ないと思っていたんです。

でも、それは歴史の遡り方が足りないせいかもしれません。今でも太古の昔と同じ暮らし方をしている人たちに出会ったセバスチャン・サルガドは、人間は本来温和だったと思うようになりました。

ルワンダでの殺戮をはじめ、世界中で悲惨な光景を見てきて、人間に絶望し始めていたサルガドが、再び希望を持ち始めたそのきっかけを、短い動画で紹介します。



この映像を公開しているSwissInfo.chはこちら。字幕のキャプチャを撮って並べてみました。

自然を見つめたブラジル人写真家 
「人間は本来、温和だった」


 我々は、その大部分を破壊した地球に暮らす
 だが46%は手つかずのまま
 プロジェクト「ジェネシス」で知りたかったのは
我々人間は最初はどう暮らしていたか
 ニューギニアやアマゾン地方以外にも
 アフリカやスマトラで答えを探した
 出会ったのは群れで暮らす生物や原住民
 近づけば すんなり受け入れてくれる
 彼らは暴力的でも攻撃的でもなかった
 私が訪れた地域ではどこもそうだった
 ブラジルの部族Haut Xinduは馬肉を食べない
 攻撃的にならないためだ
 攻撃性は彼らの価値観では最低ランク
私が出会った部族は皆温和で
 暴力や皮肉など現代社会の冷酷な一面は
 元々存在しなかったのではないだろうか
 我々はもはや国に住んでいるのでも
地球に住んでいるのでもない
 都市に暮らす我々は川や木々や生き物や
 発情期や自然のと関係の意味など忘れてしまった
 原住民たちは自分を自然の一部と見なし
 環境に溶け込んでいる

 彼らの生き方はどれも似ている
 誰かが大事と思うものは他人も大事と思う

 我々にもさほど違いはない
 私は自分の群れだと思って
部族や生き物の群れを訪れた
 難しいのはカメを理解し
私と同族の生き物として撮影することだった
 私は何を撮影するかをカメに説明した
 彼らのアイデアは川の水を販社させた写真だった
 私は彼らを撮影したかった
 暮らしの一部分を見せてくれた
 世界のどこでも快く受け入れてくれた
 私は彼らが与えてくれたものを紹介している
 旅では大事なことを多く学んだが
 特に北の大地シベリアは忘れられない
 いてつく寒さでとても厳しい土地だった
 遊牧民族のネネツ族とともに
 マイナス35~45度の中を移動した
 元々は東シベリアのオピ川南方に暮らす彼らは
 北極海の方まで移住する
 一生続く遊牧の旅は数千年前から行われてきた
  この8年間で唯一イライラしたのは旅が終わった日
 旅を頭の中で整理する段階に移り
  プロジェクトで旅に出ることがなくなったときだ
  この8年間は信じられないほどの特権だった
 地球を知り 自然を感じ
石や植物の世界を感じることができたのだから
 数十年ではなく何千年も生きられたら
全てが生き生きしていることや
 我々が全体の一部ということが分かるかもしれない
写真 セバスチャン・サルガド@Amazonas Images
サウンド クラウディネ・ゴンサルベス
音楽 John Surman: Saltash bells
制作 ©Claudinê Gonçalves, Christoph Balsiger,
         PZDBH swissinfo.ch


人間の大地 労働― セバスティアン・サルガード写真集




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